先日、wenaアンバサダー・ミーティングに行って参りました。
wenaアンバサダー・ミーティングとは、ソニーのスマートウォッチ「wena wrist」の開発メンバーと、そのユーザーの交流会の事。
wena wristシリーズのユーザーに対して運営が声をかける、招待制のイベントです。
イベントでは、開発秘話が聞けたりwena wristの分解をしたりと、非常に濃密な時間を過ごすことができました!
会場は大崎にあるソニービルの24階にあるスペース。
写真を撮るのを忘れてしまいましたが、3Dプリンターなどの各種加工機が鎮座していました。
大まかな流れは次のような感じ。
- 開発者3名によるパネルディスカッション
- wena wrist pro / active分解会
- 懇親会
イベントを通して、開発メンバーのこだわりポイントや苦労した点などを色々を知る事ができました。
開発者3名によるパネルディスカッション
イベントは開発メンバー3人によるパネルディスカッションからスタート。
登壇したのは、對馬哲平氏(プロジェクトの統括課長)、松永健太朗氏(wena wrist activeの機構設計)、青野達人氏(wena wrist proの機構設計)の3人。
それぞれ、開発で苦労した点やこだわった点を語ってくれました。
このパートは今後の開発の展望であったり、suica周りの、ソニーだけではどうにもならないお話があったりと、オフレコ成分たっぷり。
その中でも、公開できるトピックをいくつか書いていきます。
wena wrist pro / activeを開発する上で苦労した事のうちの一つは防水機能だそうです。
というのも、初代wena wristの防塵防滴性能はIPX7(水深1mに30分間浸けても浸水しない)でした。
ところが今回はwena wrist proが5気圧で、wena wrist activeが3気圧防水。これは、腕時計業界に水準をあわせた結果とのこと。
たしかに、腕時計の防水機能は「IPX○」ではなく「○気圧防水」という表記ですよね。
こういった、諸々の仕様をガジェットから腕時計に合わせるのが、技術的に難しかったところだったようです。
また、ここではwena wrist activeのバッテリー不具合問題にも触れていました。(wena wrist activeのバッテリー消費が異常に早い不具合。現在は修正済み。)
「言い訳にしかならないですけど」と前置きしつつ、特にwena wrist activeについては、開発スケジュールの遅延があったという裏話も聞けました。
もともとはproもactiveも同時に発売する予定が、開発初期段階で2ヶ月ほど遅れていたそう。
これはちょっと残念!同時発売だったらおそらく私はActiveの方を購入していたと思うので。
その他、プロモーション周りの秘話も。
登場する人物の名前がwena wrist proのアナグラムになっている、とか出演している猫のフォロアーが4000人もいる、とかCM関係の豆情報も聞けました。
宣伝にもお金を使えるようになったということで、CMはかなりリッチな仕上がりになっています。
全編スローカメラになっていて、ラグジュアリーな雰囲気が伝わってきますよね。
wena wrist pro / active分解会
一番の目玉はこちらだったのではないでしょうか。
今回はwena wrist proとwena wrist activeの両方を分解しました。

青野氏が「つくるのに3日間徹夜した」と語るCGによる分解図
道具はマイナスドライバーとプラスドライバー、そしてピンセットのみ。
分解して改めてすごいなあと感じたのは、平らな基板を曲面形状をしたメタルバンドに収め、なおかつ防水機能も担保している点です。
前作はIPX7相当で良かったので、防水は両面テープで取っている箇所も多かったようです。
しかし、今回は5気圧防水ということでパッキンを使っています。
メタルバンドのコマに合わせて0.1Whのバッテリーを2個使っているのもwena wrist pro の特徴。
基板を黒色のものにして、内部もモノトーンに統一しているのも、開発者のこだわりポイントだそうです。
wena wrist proを持っている方は、ぜひ分解してみましょう笑
続いてActiveの方も分解しました。
こちらは脈拍センサーとGPSを積んでいるため、一枚基板には収まらず、小さな基板を5枚組み合わせて実装し、折りたたんでケースに入れています。
有機ELディスプレイも曲面形状になっていて、外そうとするとパキっといってしまうような繊細さ。
ちなみに、実際に使っていると、直射日光下で有機ELディスプレイの輝度が足りていないなあと感じることがあります。
しかし、これについては有機ELの寿命・バッテリー消費を考慮した結果、自動調光の搭載を見送ったとのこと。
今後、無機ELの輝度が上がるのが先か、有機ELの寿命が伸びるのが先になるか気になるところです。
懇親会
懇親会ではアルコールと軽食が出ました。
残念なことに、私自身はほとんど下戸なので、お食事だけ美味しくいただきました。
図々しくも、開発メンバー陣が集まるテーブルに突撃したので、色々とお話を聞くことができました。
ほぼほぼオフレコな内容なので、この記事で紹介できないのですが。
でも、少数精鋭でものづくりに挑むチーム感があって、すごく良い雰囲気な環境で開発していたんだろうなあというのが窺えました。
まとめ
招待してくださった運営の方々に感謝です。
開発した人の声を直接聞く機会ってなかなかないじゃないですか。しかもソニーのですよ!
私自身、小さいメーカーで製品を開発するエンジニアの端くれなので、技術者の話は大好物。
特にすごいなあと思ったのが、wena wrist activeの機構設計者が、入社して初めて手がけた製品がまさしくwena wrist activeだという事。
尊敬しかないです。
あれだけのマンパワーであれだけのモノを作るなんて、とんでもなくハードな仕事だったと想像されます。
それでも、こだわりと誇りを持ってプロダクトを作り上げる様を垣間見る事ができた気がして、気が引き締まりました。
私なんかは入社2年目で別に大した事もやってないし、目の前の仕事に忙殺されてるだけの社畜なのですが、なんか頑張ろうと思いましたよ。
改めて、アンバサダーミーティングに招待してくださった方々に感謝します。
wena wristにより一層愛着が湧きました。第三回・四回……と続くと良いですね。
その時には是非また行きたいです!

こんな素敵な時計スタンドとTシャツ(下に敷いてあるやつ)もいただきました!
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