話題作ということで、観てみました。
監督は新房昭之、脚本は大根仁が担当。岩井俊二も原作としてクレジットされています。
「君の名は。」でも知られる川村元気がプロデューサーということで、ちょっと期待してたんですけど、結論から書くと「実写版のほうが好きだった」ということですかね。
目次
なずなをどういう目で見たら良いのかわからない。
一番はこれ。設定では中学1年生なのですが、まあ見えない。今の女子ってこんなに大人びているんですかね。アンニュイな表情、メンヘラってる話し方。ギリギリ似合わないスクール水着…。
駅のホームで浴衣からワンピースに着替えて「16歳に見える?」と聞くシーンがあったけど「最初から見えてた」としか。
エロい目で見ても良いのかよくわからないキャラ立ちに、ちょっと戸惑いましたね。まあ、そういうバランス感を出せるのが中学生の良いところなんでしょうけど。
タイムリープものとしてのドキドキ感がない。
ストーリーの推進力も弱い。あらすじとしては、
- 母の再婚のために、なずなは夏休み中に町を出る。
- それが気に食わないなずなは、家出する。ついでに気になる同級生典道を誘う。
- なずな達、見つかる。なずなの事が好きだった典道の友人のグループにも一緒にいるところがバレる。
- 両者から追いかけられる。
という流れ。ちなみに実写版は2のあと普通に引き返してプールでイチャついて終了。
つまり、後半の逃走劇は今回のアニメ版オリジナルのストーリーなのですが、この話が全然おもしろくない。
なずなが海で拾った「もしも玉」を投げると時間を戻す事を知った典道は、都合の悪い事が起こるとタイムリープしてやり直すんだけど、この映画の場合、戻ってやり直すと「なんか今回はうまくいく」だけなんですよ。
- なんか、今回は水泳の競争に勝てた
- なんか、今回はなずな母の再婚相手との小競り合いに勝てた
- なんか、今回は電車が別の線路を走っていく
という感じ。「時をかける少女」のように回数制限のようなものもないし「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のようにダメだったポイントを練習してクリアしていくわけでもない。
全体的になんかうまくいくんです。なんでかっていうと典道が作った世界だから。
もう勝手にやってくれっていうふうにしか思えなかったですね。
随所に見られるファンタジー感についていけない。
これは、50分間の実写版を90分の劇映画に引き伸ばすために仕方がなかったんでしょうけど。
例えば、逃避行中の電車内で「夜の商売がダメだったらアイドルでもやろうかな」という話の流れでなずなが松田聖子の「瑠璃色の地球」を歌ったかと思えば、急にきらびやかなステージが始まるんですよ。なんの脈絡もなく。唐突すぎる。
クライマックス、もしも玉を打ち上げて世界が崩壊する中、2人の駆け落ちのその先の描写を見せる手法はすごくキレイだなとは思ったけど。
まとめ どう考えても1995年映画版がオススメ
女子の成長に気付かず、相変わらずバカだった中学生の頃を思い出しながら、「ビッチの血が流れた」なずなを見て楽しむくらいしか魅力がないかな。極端に書くと。
もちろん映像はキレイだし、アニメ作品としてのクオリティは高いですよ。
でも、1995年の映画版のほうがノスタルジックで良い。別に私が原作厨なわけではなくて、ただ単純に、90分に引き伸ばすような作品ではないだろ、というだけの事。
ちなみに映画版はhuluで配信されている。奥菜恵がかわいい。
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